入会すると保護者の方(中学生以上は生徒自身)に記入して頂く住所録。
ノートと違って個別票になっているので他の方のを見せずに済むのとレッスンの曜日時間が変わった時もすぐに入れ替えができるので重宝です。
その一枚にNちゃんのお母様が記入された物があります。Nちゃんが中学生くらいになった時、お母様の気持ちが理解できるくらいになった時に渡すために保管してあります。お母様はこんな字でNちゃんのお名前を書いたんだよ。ピアノを弾く様子を毎回本当に楽しみに通われていたんだよとお話ししながら渡すのです。
Nちゃんのお母様ご逝去の電話は発表会のための練習会の最中でした。くも膜下出血による突然のお別れでした。Nちゃんは年長さん。間近に控えていた発表会、卒園式、入学式。レッスンのたびに"楽しみです!"とお母様がお話ししていた行事の数々・・・。
日曜日の夜「Nが電話をしたいと言っているのですが良いですか」とのNちゃんのお父様からのメール。1年半くらいぶりです。「もちろん、いつでもどうぞ」と返したらすぐに電話がありました。
今は九州にいる事。ピアノを5月から再開した事。グレンツェンを受けて予選は突破、本選に向けて練習している事。その様な近況をお父様からお聞きしたあとNちゃんに代わりました。
「もしもし」変わらない声に涙が出てくるものの、泣いている事を悟られないよう気をつけて気をつけて。ですます調ではお話ししなかったNちゃんは「はい」とお返事し、最後"お父様に代わってね"という言葉には「代わります」と応えるお姉さんに成長していました。
お葬式の時はまだ状況が分からず、知っている人がたくさんいる嬉しさから無邪気に楽しそうにしていたNちゃん。暫く経ってからお母様ともう会えないと分かり、レッスン中にお父様にしがみついていたNちゃん。お父様のお仕事などもあるのでお引越しすると決まり、ピアノを引越し先で再開した時に困らないように、新しい先生にかわいがってもらえるようにと音読みと普段は気にしない挨拶・・"よろしくお願いします"や、"ありがとうございました"を言えるように、嫌だけどうるさく言っていたお別れの頃。
全ては、、あぁ否、、いつまで経ってもそれは全てにはならないだろうけれど、心の整理が子供ながらに時間の経過と共についたのだと知り、亡くなったお母様もさぞ安心なさっているだろうと、悲しみと嬉しさの混じった気持ちになりました。この成長をさぞ見たかった事でしょう。。
真っ直ぐに明るく逞しく成長して欲しいと願ってやみません。1年くらいのブランクがあったと思われるピアノだから大変だろうけれど、グレンツェンも頑張って、できれば全国大会で会いたいところです!ピアノを楽しく教えてくださっている今の先生に心から感謝です。
九州と東京。離れたけれど(^ ^)♪お手紙もくれるそうです。
今から楽しみで仕方ありません。